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歴史問題に敏感な韓国、時代劇ドラマが大人気の理由

  • hangulking
  • 2014年7月9日
  • 読了時間: 4分

かつてはアジアを代表するドラマ大国だった日本。今ではその座を韓国に譲ってしまっただけでなく、国内ではドラマ不況が続いている。とくに、時代劇ドラマが衰退しているようだ。地上波では、NHKの木曜時代劇と大河ドラマしか放送されていない状況。

 日本の時代劇ドラマが低迷している理由としては、「決まりきった小難しいセリフで若年層に支持されていない」、「製作費が高い割にはスポンサーがつきにくい」などが挙げられるが、もしかすると、「視聴者の歴史に対する興味の無さ」が根本的な問題なのかもしれない。

 ある月刊誌が全国の30代の男女100人を対象に行ったアンケート調査によれば、「時代劇ドラマが嫌いな理由」としてもっとも多かったのが「物語の前提・背景がよくわからないので気軽に視聴できない」というものだった。

 言い換えれば、「歴史が分からないので見ていられない」ということだが、「歴史に興味がない」と解釈することもできる。

 逆に、「好きな理由」においても約6割強の人が「歴史が好きだから見る」と答え、ポイントはやはり「歴史への関心度」であることが明らかになった。

 一方、日本の時代劇ドラマの衰退現象とは対照的に、韓国では長年にわたって多くの視聴者を虜にしている。

 アジアにおける韓国ドラマブームがその前兆を見せ始めていた1999年に放送された 「ホジュン~宮廷医官への道」が韓国で50%近くの平均視聴率を記録したことで、「時代劇全盛期」の幕が上がることになる。

 その後も、毎年のようにクオリティーの高いヒット作が生まれ、現代ドラマとバランスを取りながら、「韓流ブーム」の礎を築いてきた。平均視聴率20%を超える作品を一部取り挙げただけも下記のように数え切れないほどある。

 中には「チャングムの誓い」や「チェオクの剣」、「イ・サン」や「トンイ」など、日本でも放送され、ロングヒットを記録したドラマも多い。

 韓国は、中国やモンゴルやロシアなど大陸の大国、日本やアメリカやフランスなどの海洋の大国に侵略されながら数奇な運命をたどってきた歴史があるので、大衆の歴史に対する関心度が日本より格段に高い傾向にあることも時代劇ドラマの人気を支えているのだ。

 ここ数年間に制作されてきた主な韓国の時代劇ドラマを数えてみよう。

● 太王四神記 【ぺ・ヨンジュン、ムン・ソリ他】 

● 朱蒙(チュモン) 【ソン・イルグク、ハン・ヘジン他】

● 善徳女王 【イ・ヨウォン コ・ヒョンジョン他】 

● 大祚栄(テジョヨン) 【ユ・ドングン、イ・テゴン他】 

● 海神(ヘシン) 【チェ・スジョン、チョン・ボソク他】

● 太祖王建(ワンゴン) 【チェ・スジョン、チェ・シラ他】

● 宮廷女官チャングムの誓い(原題:大長今) 【イ・ヨンエ、チ・ジニ他】

●チェオクの剣(原題:茶母、タモ) 【ハ・ジウォン、イ・ソジン、キム・ミンジュン他】

● 女人天下 【カン・スヨン、イ・ドクファ他】

● ファン・ジニ 【ハ・ジウォン、チャン・グンソク他】

● 不滅の李舜臣 【キム・ミョンミン、チェ・ジェソン他】

● ホジュン -宮廷医官への道- 【チョン・グァンリョル、ファン・スジョン他】

● 一枝梅(イルジメ) 【イ・ジュンギ、パク・シフ他】

● 推奴(チュノ) 【チャン・ヒョク、オ・ジホ他】

● トンイ(同伊)【ハン・ヒョジュ、チ・ジニ他】

● イ・サン 【イ・ソジン、ハン・ジミン他】

● 明成皇后 【イ・ミヨン、ユ・ドングン他】

● 千年の愛 【ソ・ジソブ、ソン・ユリ他】

● アラン使道伝 【イ・ジュンギ、シン・ミナ他】

 中には、ストーリ展開は現代風にする、時代背景だけを時代劇にする、セリフには小難しい言い方を一切使わない、など、いわゆる「ヒュージョン時代劇」もある。常識破りの工夫で、若者までも視聴層に入れているのだ。

 今年に入っても、ドラマ「シークレット・ガーデン」のハ・ジウォン、ドラマ「ファッション70」と映画「カンナさん大成功です! (原題:美女は辛いよ)」のチュ・ジンモ主演の時代劇ドラマ「奇皇后(キファンフ)」が30%近くの視聴率を叩き出している。また、最近も日本映画「ホテルビーナス」のイ・ジュンギ主演の時代劇ドラマ「朝鮮ガンマン」が放送を始めたばかりだ。

 日本ドラマのノウハウを生かして全盛期を迎えている韓国ドラマ。その公式は、音楽業界でも起きていると言える。J-POPのノウハウを生かしたK-POPがグローバル化し、全盛期を迎えている事だ。

 家電業界にも、ソニーのノウハウを生かしたサムスン、日立のノウハウを生かしたLGがあり、自動車業界でも三菱のノウハウを生かした現代などがあり、鉄鋼業界でも新日鉄のノウハウを生かしたPOSCOがある。あまり目に見えていないが、あらゆる産業で日韓の協力と競争は限りなく続いていて、両国を世界のトップレベルに押し上げているのだ。

 2002年のサッカー・ワールドカップの日韓共同開催が、「冬のソナタ」で代表される韓流ブームの起爆剤となったように、2018年のピョンチャン冬季オリンピックや2020年東京オリンピックのタイミングに向けて、双方向の芸能文化やエンタメ産業の交流がバランスよく行われることを祈ってみたい。

● 本記事は韓流ポータルサイト「ワウコリア」のコラム欄にも掲載しております。

 
 
 

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